女性ホルモン製剤の投薬ポイント
月経困難症で来局される患者さんは少なくありません。
正しい知識をもって投薬に臨むことを目標にしましょう。
特に女性ホルモン製剤は血栓が生じることで死亡事故にも繋がる事があるため、十分に観察する必要があります。
投薬の機会も多いので勉強していきましょう。
【主な女性ホルモン製剤】
1.ルナベル配合錠(ジェネリック:フリウェル)
2.ジェミーナ配合錠
3.ヤーズ配合錠
4.ヤーズフレックス配合錠
ルナベル配合錠は21錠シートです。
初服用の際は月経1-5日目に服用開始します。
21日連続服用した後に7日間休薬します。これを1サイクルとして服用を続けます。
ジェミーナ配合錠は21錠と28錠シートのものがあります。ルナベルと同じように初服用の時には月経1-5日目に服用開始します。
基本的には77日連続投与をします。開始直後の不正性器出血は若干多いですが、21日連続投与と比べて疼痛緩和効果が高いです。28.28.21日(77日連続服用)後、7日休薬が基本ですが、不正性器出血が多い場合には21日連続服用後に7日休薬のパターンもあります。
ヤーズ配合錠は28錠シートです。7錠は偽薬といってただの成分が入っていない白い粒です。休薬期間を気にせずに服用を続けられるのがメリット。
月経1日目から服用しましょう。
最後にヤーズフレックス配合錠です。よく処方される薬ですが、飲み方に注意が必要です。28錠シートなのですが24日連続服用+4日休薬、120日連続服用+4日休薬の2パターンがあります。適応も月経困難症だけでなく、子宮内膜症に伴う疼痛の改善があります。
疼痛改善の場合には、120日連続服用+4日休薬のパターンしかありません。服用開始から24日間は出血の有無に関わらず服用します。25日目以降は3日連続の出血があれば翌日から4日休薬。休薬後は出血に関係なく服用を再開して120日まで服用続けます。
月経困難症の場合には2パターンの選択肢があります。1パターン目が120日連続服用です。これは疼痛改善の時と同じ飲み方です。2パターン目が24日服用+4日休薬です。28日を1周期として、これを出血の有無に関わらず繰り返します。
【共通の特徴】
服用開始直後はホルモンバランスの変化により不正性器出血が起こりやすいです。不正性器出血とは少量で茶褐色の出血(5人に1人が起こると言われています)→中止はせずに1〜2ヶ月服用を続けていれば自然に出血は治ります。
【血栓症に注意】
冒頭でも記述しましたが血栓症による死亡事故もでています。要因と対策について考えていきましょう。
血栓は喫煙や脱水によって起こりやすいと言われているため、禁煙やこまめな水分補給が必要です。また、血栓症の特徴は胸の痛みや手足の痺れ、痛み、むくみがあらわれます。こういった体調変化を見逃さずにヒアリングすることが大切です。
【毎日同じ時間に服用】
飲み忘れは不正性器出血の原因となります。当日の飲み忘れは気づいた時点で当日分一錠服用します。前日もしくは2日以上飲み忘れた場合には気づいたときに前日分の1錠を服用します。当日分はいつもの時間に服用をします。