糖尿病の三大合併症に気づく訓練をしよう
糖尿病の三大合併症(し・め・じ)についてご存知でしょうか。
し:神経障害 め:網膜症 じ:腎症 それぞれが糖尿病に付随して引き起こされる可能性がある障害です。し→め→じの順番で症状が起こるとされています。
恐ろしいもので失明や透析のリスクが増大します。いち早くこれらの症状に気づくことが薬剤師の任務です。
(以下、糖尿病診療ガイドライン2019を参考にしております。)
「糖尿病性神経障害」
自覚症状:手足のしびれや疼痛、異常感覚
→保険適用外であるがエパルレスタットにより進行抑制が期待できます。
軽度の疼痛であれば血糖値のコントロールと生活習慣の改善で軽快します。
中等度以上の症状であれば三環系抗うつ薬やプレガバリン、デュロキセチンで対応します。
プレガバリンはよく処方されることが多いため、副作用(めまい、浮腫)もしっかりと把握しておきましょう。
「糖尿病性網膜症」
自覚症状:気づきにくい(初期だけでなく進行した段階でも)
→血圧値のコントロールにより発症・進行を抑えられます。
目標値:140㎜Hg
「糖尿病性腎症」
早期診断による尿中アルブミンの測定がベストです。
血清クレアチニン(Scr)やeGFRも大切な指標になります。
→血圧値のコントロールにより発症・進行を抑えられます。
目標値:130/80㎜Hg(臓器保護の作用を併せ持つARBやACEが推奨されています)