点眼の順番をマスターしましょう
目薬の投薬は非常に多いので、これだけはしっかりと覚えておきましょう。
【種類】
①水溶性点眼液
②懸濁性点眼液
③油性点眼液
④ゲル化点眼液
⑤眼軟膏
点眼をする順番は①→⑤
①水溶性: 一般的な点眼薬で市販の点眼薬はこれに該当するものが多い。
クラビット®点眼液0.5%(抗菌薬)
ヒアレイン®点眼液0.1%(ドライアイ治療薬)など
②懸濁性: 水に溶けにくく吸収されにくいため「点眼する前によく振りましょう」といった注意喚起がされることが多い。
カリーユニ®点眼液0.005%(老人性白内障治療薬)
フルメトロン®点眼液0.1%(ステロイド性抗炎症薬)など
③油性: 効果発現が緩やかで作用時間が長い。有効成分が水をはじきやすく、他の点眼薬の吸収を阻害してしまうことがある。
現在は該当医薬品なし
④ゲル化: ゲル化する基剤を配合することで結膜嚢内の滞留時間を延長させる。 他の点眼薬に影響を及ぼす可能性があるため、点眼後は10分以上の間隔をあけることが必要。
チモプトール®XE点眼液0.25% (緑内障治療薬)
チモプトール®XE点眼液0.5%(緑内障治療薬)
リズモン®TG点眼液0.25%(緑内障治療薬)
リズモン®TG点眼液0.5%(緑内障治療薬)
オフロキサシン®ゲル化点眼液0.3%(抗菌薬)など
⑤眼軟膏: 水溶性点眼剤より効果発現が緩やかで長いため最後に塗布または、点眼する。
水をはじきやすいので、眼軟膏の後に水溶性点眼剤を点眼した場合には、その効果が発現しない可能性がある。
フラビタン®眼軟膏(角膜炎・眼瞼炎治療薬)
エコリシン®眼軟膏(抗菌薬)など
点眼薬が複数処方された場合
→よく効かせたい重要な点眼薬を後に使用する。(最も効果を期待したいものが先に洗い流されやすいため)
pHが異なる薬剤が複数処方された場合
→刺激の少ない点眼薬を先に使用する。(涙のpHは7~7.4であるため、中性に近いものを先に点眼した方が刺激が少なく涙も少なくて済む)
コンタクトと目薬
一般的にハードコンタクトレンズの場合には、コンタクトレンズを装着したままで点眼をすることができます。しかしながら、ソフトコンタクトレンズの場合、人工涙液の点眼薬以外を点眼する際にはコンタクトレンズを外す必要があります。
点眼薬には防腐剤が含まれていることが多く、コンタクトレンズは「防腐剤」を吸着してしまいレンズの変形及び寿命を縮めてしまう可能性があります。また、防腐剤がレンズに吸着し、濃度が高まり、角膜との接触時間が長くなることで、角膜障害の原因となることがあります。そのため、点眼時にはコンタクトレンズを外す必要があります。
しかし、ワンデータイプのソフトコンタクトレンズは、1日で使い捨てるため影響が少なく、医師によっては、点眼してもトラブルが少ないと判断している場合もあります。
また、点眼後すぐにコンタクトレンズを装着するのではなく、点眼後5分以上、できれば15分以上間をあけてコンタクトレンズを装着することが望ましいです。